lynnosukeのブログ

愛なんてそこじゃなくて生きてるだけじゃ足りなくて

祭の終わり

俺と付き合って。と、彼は言った。何となくのスタートであった。だぶりで入学をした彼は下宿をしていた。そこは女人禁制なのだがいつも女生徒がいたらしくある日、担任教師がガサ入れに行くと煙草の煙が充満していたそうだ。お前ら煙草、吸ってんな!と、温厚な教師は怒鳴ったそうだ。彼はこいつらじゃなくて俺が吸ってんだから俺を停学にでも退学にでもすればいいべや!と、言ったそうだ。彼は授業中に教師を蹴り飛ばしたりバイクを盗んだりと悪さばかりを繰り返していた、即停学。彼の膝の上に座り授業を受けたりとにかくだらだらと過ごしていたが教師はわたくしにはお咎めをしなかった。クラスの代議員であったりクラスの事には全力であったのも一因かもしれない。学祭シーズンになり友人や彼のハッピを縫ったり行灯の代表になったりと忙しかった。そうしてバンド部屋にあまり行けなくなっていたのだが行くと姉ちゃんと呼んでいた先輩と彼がピアスの穴を開けると騒いでいた。やけに仲が良く後日、友達が言いにくいんだけど、あの二人ヤッたみたい。正直どうでもいいと思った。学祭当日の夜、行灯の笛吹き担当のわたくしは酸欠になるほどに笛を吹いていた。車が来た時の緊急の笛の吹き方やパターンがある。それに合わせて行灯が動く。休憩中に見てしまった。仲良しの友達と彼が手を繋いで立っていた。咄嗟にわたくしは緊急時の笛を吹いた。止まっていた行灯は物凄い勢いで動き出したが車などは来ていないのでみんなは、えっ!?と、こちらを振り向いた。気まずそうな二人をよそに笛を吹き続けた。みんなも気がついた様子で派手に行灯を回した。学祭の終わりを告げる花火が上がりわたくしのどうでもいい恋愛が終わった。その後、彼は退学をし地元で就職をし仲良しの友達はいじめに遭い保健室登校をしていた。それでも仲が良かった彼女から遠距離恋愛をしている。と、聞いた。父親には反対をされていて父親の知人の息子さんを紹介する。と、言われている。と、言った。その頃には友達のほとんどが退学をした。