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lynnosukeのブログ

愛なんてそこじゃなくて生きてるだけじゃ足りなくて

黒塗りの夜

黒いスラックスにヴェルサーチのシャツを着た彼は髪の毛をセットしていた。そこにある革靴、磨いておいて。ねぇ?どこに行くの?あいつねぇ、ちょっと悪さしてねぇ、女の家にいるみたいなんだよね。知っている?その女。うん、同級生だよ。釧路に逃げたって聞いたよ?帰って来てんのさ、バカだから。黒塗りの車を走らせ住宅街に着いた。ほらね、あいつの車があるでしょ。泳がすわ。彼は一度ワインレッド色の車の横をゆっくりと通り過ぎた。つい数日前まで乗っていた車。家から離れて見ていると二階の電気が消えカーテンが少し開いた。向こうからもこちらの車を確認している様子であった。車はゆっくりとバックをし家からは死角の場所に停まった。静かな住宅街に聞き慣れたマフラー音が聞こえた。見てろよ?と、言った彼は遠くなったテールランプを追った。追いかけられているのに気がついたあいつはスピードを上げた。彼もスピードを上げテールランプがギリギリに迫った所でクラクションを思いっきり鳴らした。車を追い越しあいつの車の前にびったりと付きブレーキを踏んだ。後ろから急ブレーキの音がした。わたくしは振り返った。斜めに車は停まっていた。彼はUターンをし逃れられないあいつの車の横に付け窓を開けた。どうなっちゃうんだろう…あいつは窓を開けた。笑顔で、久しぶりですね!気づきませんでしたよ!と、言った。わたくしと目が合い、あっ、りんとデートですか?彼は車から降りあいつの顔面を思いっきり殴った。どういう意味か分かるな?いや、あの、すみません。と、言いながら顔を覆っていた。二人の間に何があったのかは知らないが謝るぐらいだから悪い事をしたのであろう。りんに近づいても駄目だし、二度と俺の前を走るなよ。と、彼は言った。