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lynnosukeのブログ

愛なんてそこじゃなくて生きてるだけじゃ足りなくて

ディストピア

世界は様々な複合体として貼り付けられているが同時に脆く剥がれ落ちる。これは集団の細い隙間に風が吹くからである。ただでさえ膨張をしてゆく人間性キュビズムの世界に納めているだけである。剥離された関係をもう一度、貼り合わせようとは思わない。二度と同じ形にはならない。綺麗に貼り合わせないとどちらかに影さえ生じる。そこに溢れる欺瞞があれば嘘が派生し石の様にあちこちに点在する。その石に足をすくわれ怪我をする。その怒りでもって石を描かれた世界に投げつける。音や匂いの記憶は鮮明だが見てきた記憶は捏造される。その景色は合成され着色される。色だけが強烈に遺され瞼を閉じる。目の前が真っ黒に塗りつぶされても残像の様に強烈な色がフラッシュバックをする。この色が現れた時にわたくしは君を傷つける。一度は愛していた記憶の中でも君を傷つける。見てきた君の記憶を消し去る為に嫌な女になる。繋ぎ合わせていたシーンを次々と破り剥がしてゆく。幾つもの目が走る。言葉の白々しさと景色を残酷なまでに奪い去る。君は二人だけのフィルムを握りしめ身体を丸め込んだまま暗い海底へと沈んでゆく。わたくしは自分の両耳を塞ぎゆっくりと目を閉じる。黒色な涙を流す。頭上から落ちてくる粘性の高い絵の具に打ち付けられる。 幾重にも流れ落ちる色の世界は混ざり合い全身は真っ黒になる。わたくしは影になる。もう、どこにも居ない。