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lynnosukeのブログ

愛なんてそこじゃなくて生きてるだけじゃ足りなくて

浮遊

着色された砕片が回りだし記憶を辿る。触れた皮膚の感触と骨格を思い出す。男女のオートクチュール。肉の重みを知った時、大人になる。それが当たり前になった時、産まれた時の事を考える。快楽を失う。原子の海に投げ出されシナプスが泳ぎ回る。苦味を帯びた羊水の中で微かに声を聞く。この世に産まれる事を拒み続けたわたくし。生きる屍となり前へと進む脚力を亡くす。一緒に泳ぎましょ?誰かの声がする。姿が見えない兄か姉の声。本当は一人っ子ではなかったのだ。波の音がする。漂いながら辿り着いたこの場所で静かに息をする。呼吸は泡となり細胞分裂を繰り返す事など無く暗い海を浮遊する。生まれ変わる事も無く。