lynnosukeのブログ

愛なんてそこじゃなくて生きてるだけじゃ足りなくて

待っている 声

愛されると離れたくなる。一瞬だけよぎる永遠。この世に永遠なんて無い。その一瞬の幸せを拒む。全身傷だらけで触れられると痛むから。体温に締め付けられると応えられない。
声にも温度があるが言葉に傷つけられても声には傷つけられない。見えない表情、受話器からは周波数に合わせる偶像された声。あたしは深夜の公衆電話を見つける。焦点が合わない遠く蛍の光の様に小さく見える灯りを頼る。明るくなるまで静かに人を待ち続けている公衆電話。彷徨っている深夜の風防。密閉されたガラス張りの空間の中で君とあたしは丸裸にされる。声と体温で湿度が上がる。音の水蒸気。潤う深夜。
ただ、そこに居て。