lynnosukeのブログ

愛なんてそこじゃなくて生きてるだけじゃ足りなくて

高低差

プロレタリアの空は広い。誇張された人間には解らない自己の小ささを。空の温度は低いが地面はマグマの地下熱に火傷をするので踏み出せない。本来的な素足と鎧という足枷だけの違いだけで背伸びをした人間は地上で靴擦れを起こした。縺れ込み前のめりにゆっくりと頭から落ちる瞬間にアスファルトの匂いを感じた10cm直前、一気に加速をした脳は打ち付けられた。地下を破壊し創造をした者は吹き飛ばされた。喰う為に生きるのか、生きる為に喰うのか。傷がつく手前で羅列された固形物を一番奥で噛み締める。ガルバニー電流に合金も無いわたくしは化合物として微弱な電流で拍になりたかった。種の属性、ヒトの死の一様性に顕れた金属性。
高みの人間はオペラグラス越しに嘲笑う。小さな人間は大きな緞帳の幕開けを片目で見上げる。腹の中の虫が騒がない様に冷静に。太陽が黒髪を目指す。涼しかった頭上も焼ける熱さになる。誰も期待をしていない狙われる細身。いつも見上げる空が落ちてくる。両耳を塞ぐ。声にならない声で叫ぶ。

誰も居ない所で木が倒れた。

そこに音はあったのか?