lynnosukeのブログ

愛なんてそこじゃなくて生きてるだけじゃ足りなくて

虚構

子どもの時、視界に入ったテレビの白黒映像に記憶を持って行かれる衝撃を受けた事がある。その映像はエレベーターに乗り目指す階を押すも違う階に止まりエレベーターが開くと裸のマネキンだらけの倉庫。無機質な恐怖感。記憶が捏造をされたわたくしは古く不必要なマネキンはナイロンにくるまれ視線が見えない。今にも動き出すと勝手な思い詰めの中、思考は倒れ出す。幾つものマネキン。息が出来なくなるからビニールを頭に被ってはいけない。と、教えられた年齢に幻覚を見ている母親を抑え込む。体臭の無い母親。三歳の時にダイエーの婦人服売り場で迷子になった。マネキンの冷たい足下、必死に掻き分ける布。届ける為に大泣きをした。暫くして店員の女の人に抱かれあやされ。他人の温もりに戸惑った。大人より高見の視線で母親を探した。