lynnosukeのブログ

愛なんてそこじゃなくて生きてるだけじゃ足りなくて

ショートフィルム

花びらを一枚、口に含むと、頭の中の映写機が廻り出す。そっと目を閉じ夢を見る。石鹸箱の中で花を描くと香りが弾ける。同じ香りを身に纏う君と僕。指先から互いの肌に想いを綴る。石鹸箱の中は花びらが舞い君は僕に花びらを口移す。目を閉じ僕は夢を見る。逆転写された君は僕と大きな砂時計を反転する。お伽の国で君は小さなビーズを集めていた。僕への道標。君を閉じ込めていたはずのガラス瓶。君が手にしていたリヴォルヴァーはショットガンに変わっていた。君は何度も僕を撃ち抜いた。銃口から放たれた見覚えのある花びらを口に含むんだ。
僕は夢を見る。