lynnosukeのブログ

愛なんてそこじゃなくて生きてるだけじゃ足りなくて

渡り鳥

僕は君にブラスのお守りを繋いだ。風切り羽を一本、口で抜き取りお守りに願いを描き、留めた。君は心配そうに、外れてしまわない?と、問い掛けた。外れませんよ、絶対に。僕は知っている。君が彼と指先で留めた記憶に赤い糸を編んで身に付けているのを。いつも二人だけで紡ぎ合い君はくるみボタンとして外れない様にシニュー糸で守られていた。君は彼が外れてしまわない様に蓮の花で縫い付けている。僕は背中に君を乗せ羽ばたく。大空で大きく開いた両羽に合わせ翼が無い君も両手を広げ指笛を鳴らすと僕らの風見鳥が羽ばたいた。遠くなるレコード盤の音楽。
ブラスに描いた意味を教えてあげる。旅のお供のお守り。