lynnosukeのブログ

愛なんてそこじゃなくて生きてるだけじゃ足りなくて

居場所

色が見えない。
想い出を縫い付けようと当ててくれた位置にマーキングピンを刺す。鎧の厚さにピンは折れた。針穴に糸をようやく通す。一針、二針、又、針は折れた。情けなさよりも悔しい。ボタンを縫い付けてくれた優しさ。貴方が居ないと何も出来ない。選ぶ糸の色も知覚が出来ない。
僕が縫いますよ。
絶対に外れない様に左手首に嵌めてくれた環。馴染むまで今は痛みに堪えている。右手で絞め左手はわたくしの右の掌。シャツを捲り背中と肩のタトゥーを見つめる。エアーブラシで描かれたかの様な美しい皮膚。
色彩の世界。

今、色が見えないんだ。

戻りたい。