lynnosukeのブログ

愛なんてそこじゃなくて生きてるだけじゃ足りなくて

超える

僕達は孤独に色を付け花開く。感情を染め上げ縫い留める。誰かの肌見になり自分が消え去っても静かに遺る形見。創世を記し打ち寄せる波は時に荒波に変わり打ちのめされる。紡ぎあっている糸の方向性は変わらず幾度とない涙の水分を含み縫い目は詰まる。凝縮をされた縁取りは弾け飛ぶ。流されてしまう。波が押し寄せスローモーションに膝から崩れ落ちたペガサスは折れた自らの脚の腱を糸にし差し出した。僕が居なくなっても繋いで。わたくしは麻糸を蝋引きし君の折れた脚を元に戻す。優しく繊細に君の傷を塞ぐ。蝋が固まり冷え膿みを遺さない様に。わたくしには追い付けない存在。立ち上がったペガサスは歩めなくなっていた。不甲斐なさに空に呆れた。叫びペガサスの足元に這いつくばる。
守りきれない。
回遊をしていた渡り鳥がわたくしを目指し低空飛行をし急降下をした。啄み続けてきた抱えきれない程の羊毛を抱いて。