lynnosukeのブログ

愛なんてそこじゃなくて生きてるだけじゃ足りなくて

感謝

君は黒船に乗って来る。不慣れなパン屋さんからいつもパンを買って僕のドアを開ける。ドアの鈴の音で君が来たと直ぐに判る。いつも僕の為にパンを選び一人旅に出掛けた時には真っ先に僕へのプレゼントを選ぶ。一人きりで不安なはずなのに強く僕を見つめていた。その先の僕は突然、居なくなった。君が道標の様に立ち寄ったパン屋さんに行くと涙が溢れ出したと聞いた。居ない僕の為に。君が冬の文章を書かなくなったのは僕のせい。雪を知らない君が必死に雪の中、会いに来た。僕も待っていた。君が黒船に乗り泣き崩れた時、僕は総てを失った。
僕の部屋には君の鞄がある。僕は君の鞄を抱く。動けなくなった君を想い。

私はトルソーにタイを絞める。他の誰かに守られた頸動脈。
僕はトルソーにコートを着させた。
きっと、寒がっている。君が僕を温めてくれたから。

僕は君の影なんだよ。