lynnosukeのブログ

愛なんてそこじゃなくて生きてるだけじゃ足りなくて

蒼氓

閉じた瞼の上から白く光る空気を感じた。雪の景色を思い出し静かに目を開けるとプンダリーカの中にいた。腰まで泥に浸かっていたわたくしの下肢は動けなくなっていた。プンダリーカはそっとわたくしに寄り添う。触れ合った指先は引き離され二人きりの頭上からは真紅の痺れ華が降り注いだ。じっと見つめ合い花弁を浴びた心中。
涙が溢れ遠くなる。離れあった道に力無く倒れ込み濡れる冷たい地面を掴んだ。
深い霧の中、遠く三日月が照らす。真紅の猛毒の華が開き出す。
君は僕の太陽。照らして欲しい。見守っていて欲しい。君はプンダリーカの中で息づく。そして羽ばたく。空を目指し下界を見る。誰にも染まらない白い蓮華と真紅の華は美しい桃色のロータスへと変わる。ガルーダとなり金色のカペラを空に遺す。