lynnosukeのブログ

愛なんてそこじゃなくて生きてるだけじゃ足りなくて

淘汰

カーテンをピアスで彩る僕の夢。君が編むタッセルが揺れる午後の庭にポケットから飛び出したコインの横顔がウインクをした。君へのご褒美の時間。君をティーカップの中に泳がせると悪戯になびかす尾鰭で僕にアップルティーを浴びせる印し。じゃれ合う昼下がり。君は綺麗だ。細い首筋に触れるとモルダウが流れた。君の哀しみの記憶の旋律に僕の視界は滲んだ。迷い込んだ海で君を見つけた。貝殻の中で怯える君を独りきり、僕も独りきり。
光が反射をする。僕は君を暖めたい。
カーテンで造り上げたハンモックに君を降ろし揺らすと微笑んだ。揺れる世界の中で君は言った。
一緒に居たいと。