鳥籠の中で人魚の彼女は一つ、卵を産んだ。彼女は愛おしく卵を腕の中で温めていた。堅いその有精卵は孵化をする気配はなく寧ろ日に肥大をし黒点が滲み始めた。ケンタウロスの僕はその殻に向け弓で矢を射った。ひび割れ砕けた卵の中からは充満した硫黄の臭い…
夕方突然、唾液が飲み込めなくなり気管に入ってしまった。舌の根元が下がりっぱなし上がりっぱなしに喉の筋肉の動きが完全におかしくなった。今も唾液を飲み込むのに舌に力が入ったりしてそうかと思えば呼吸が逆流してきて窒息しそうになる。飲み込むだけに…
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