lynnosukeのブログ

愛なんてそこじゃなくて生きてるだけじゃ足りなくて

花は散る

友人二名がどこかに電話をかけだした。今日は暇だね。と、言いながら受話器を持っていた。しばらくして、あっ、初めまして○○です。と、偽名を使った。今、友達といて暇で電話をしました。と、言いながら受話器の向こうの相手はわたくしに電話を代わるように言った。何でも良いから喋ってみて。と、言われ話をした。横の友人達はなかなか電話を切らないね、うちらならすぐ切られるのにね。と、言った。わたくしは受話器を当てていた耳が痛くなり友人に代わった。友人はすぐに電話を切られた。それから数日後、別の友人が事務所に行って遊んできた。と、言った。何の事務所?テレクラ、りんもバイトしない?暇な時間に話すだけだから。わたくしは友人が遊びに行ったという事務所に電話をした。システムを教わった。こちらから暇な時間にテレクラに電話をする。待機中の男性に繋がる前に事務所の回線から何人待ちだよ。と、指示がある。そしてお話相手になる時間でアルバイト代金が口座に振り込まれる。そう、サクラである。この会話は事務所で聞かれており自分の電話番号は教えてはいけないが相手からの電話番号を貰う事はできる。アダルト版ではないので何気ない日常の会話をする。たまに自慰の要求や相手が自慰をしながらの荒げた声が聞こえた場合こちら側から電話を切れば良い。殆どが暇な男性や女性を目の前にすると喋られないが電話なら話せるんだ、とか、仕事の愚痴である。彼女や奥さんに愚痴を言えない。と、言う。そういう時には男性にはプライドがあって言えないのかもしれないけれど愚痴を言える環境を作ってあげない女性側にも問題があるのだよ。と、慰める。映画や音楽の趣味が合えば長時間はカウントされ終いには受話器の向こう側で眠ってしまう方もいるのでわたくしはただ受話器を放置しておく。そうすると事務所から、寝ているみたいだけれどどうする?他に繋ぐ?と、聞かれる。普段の仕事も受付でひっきりなしになる電話を繋いでいるのに家でも受話器を持っている。完全に飽きた。声は枯れた。両方の仕事を辞めてからわたくしは電話に出ない事で有名である。