lynnosukeのブログ

愛なんてそこじゃなくて生きてるだけじゃ足りなくて

救いの手

電話帳から消えたわたくしの名前。今でも電話番号を覚えていると言った。二十年もの間、他の女に唄った事は無いと言う歌を電話越しに唄ってくれた。その声は変わらずも歌声は切なかった。一番だけだよ?と、言う君に、もっと唄ってと駄々をこねた。当時のままに。途切れ途切れに一緒に唄い涙ぐむ。「大好きだった」の過去形は「大好きに」変わる。「愛していた」の言葉は「愛している」に戻る。冷たい身体は熱を帯びる。どの女よりも一番、好きだった。愛されていた。分かっていた。それなのに風向きが変わって振り返らずにしゃがみ込んだ。アスファルトに涙を落とし幾つもの想いの染みを数えた。君が居ない世界で立ち上がりゆっくりと歩き出す。一人じゃ歩けなくて道端に倒れ込む。身体を丸め産まれた時の事を考える。冷たい地面に君の匂いは無い。カウントダウンに舞い降りる愛。ミレニアムキスを交わした車内。ずっと一緒だよ?近くて遠い日の記憶。
君の肩に入ったタトゥー。花言葉を知っている?

離れゆく愛なんだよ。

https://youtu.be/3Rjnrt1ypvQ

置き去りにしたのは君の方だよ。