lynnosukeのブログ

愛なんてそこじゃなくて生きてるだけじゃ足りなくて

記号

三日月を磨く。パテントになった月の滑り台で遊ぶ。勢いよく滑るとミルキーウェイに飛び出した。ミルキーウェイを泳ぐ彼女を僕は迎えに行く。離れない様に彼女の小指と僕の小指に糸を結んだ。一緒に帰ろ?遊び足りない彼女は三日月でシーソー遊びをしたいと提案をした。そんな事をしていたら朝になるよ、僕と帰るんだ。いじけて動く気がない彼女に甘い僕は懐中時計の針を戻した。そして僕はシーソーに乗せてあげる。勢いをつけて跳ねる彼女はお腹が空いた。と、言い出したので僕はポケットから星を取り出し彼女の口に放り込む。
僕についておいで。と、言っても僕がついてゆく。心配で仕方がない。この世界に二人きりなのに。空飛ぶ鯨を一人で見に行ったり目を離すと居なくなる。一度だけ僕は彼女に、好きにしろ。と、怒ると本当に彼女は帰って来なかった。僕は一晩中、探した。僕のせいだ。今、その彼女が無邪気に居るのを見ていると悲しくなるんだ。彼女を置き去りには出来ない。僕をこんなにも必要としているのに彼女は果たして一人で生きてゆけるのだろうか。
僕は目を閉じ懐中時計の針を進める。
ゆっくりと目を開ける。
目の前に彼女は居た。
morning honey と、僕の首に抱きつきぶら下がる。急に寝ちゃうから起こさなかったよ?

懐中時計に目を落とすと時の針は戻されていた。
目の前に彼女は居なかった。
僕はポケットから朽ち果てた星を口に入れる。
ねぇ?今、何処に居るの?

彼女の声が聞こえた様な気がした。