lynnosukeのブログ

愛なんてそこじゃなくて生きてるだけじゃ足りなくて

遺す

昨日、起きると先生からメールがあった。安心をしたのは確かで。7月6日に俺からは連絡をしないとすったもんだをした際わたくしは、いつでも連絡を下さい。いつも助けられていたのでと。7月9日、俺は今回の事にしても自分が嫌になる、数日、考えていたと。わたくしもちらついていた。わたくしが心配をかけているからなのかと。文章を読み返し俺は30年来の付き合いだと。それでも月に1度、連絡がくるかそれぐらいの距離感なのである。それが20年前のだぁと連絡を取った。また連絡をしたの、青春だねと。始まったわ。土曜日のイベントに誘ってくれた友人の絡みで連絡をしたのだ。これが悪かったのかもしれない。それからは毎日メールがあり自分が好きな曲を教えてくれた。かなり大量に。かと言ってお互いに恋愛感情は無いのだ。見捨てられた方が楽になると言われた。わたくしからは連絡はしていないがそれはそれで心配になるのかもしれない。だとしたらわたくしを見捨てたらいい。いつもそうなのだが数カ月ぶりにわたくしが誰かと会うと必ず連絡がくる。見られているのではないかというぐらいに。これはきっとお互いに体調の波長が分かるので、凜ちゃんが出掛けたと分かるのか。わたくしは先生が熱を出していると分かるのである。先生の汗の匂いが鼻腔に入って来、汗ばんだシャツの柔軟剤の匂いがくるのである。以前まではどちらかが悪くなると良くなるよねと言っていたがお互いに熱が続いている。一緒に死ぬ?と言ったら、やだよと笑って断られた先週。わたくしも嫌だが。驚いたのはわたくしは先日、good-byeというタイトルでゴッホというワードの文章を書いていた。先生は知らない。あの夜だけは。というタイトルの文章を送ると先生が文章を返してきた。鳥肌が立った。

僕は絵が好きだった。だから画商に勤めていた。商才が無いらしい。クビになった。
聖職者になりたかった。だから神学の勉強をした。勉学の才が無いらしく挫折した。
僕には好きな人が出来た。ガブリエル・ベルラティエという女性。
褒めらえた商売の娘ではなかったけど僕に出来る最高のプレゼントで彼女に喜んでもらいたかった。
僕の気持ちが凝縮しているもので如何に僕が彼女に思いを寄せいているか
彼女のためならどんな犠牲も払えるかを分かってもらえるような何か…
だけれども僕にはお金が無い。
そうか。僕にはあるじゃないか。
左耳を切り落とした。深夜、彼女に耳を渡しその場を去った。

僕は絵が好きだった。有名な画家になりたかった。
でも、売れた絵は友人に付き合いで買ってもらった1枚だけ。

沢山絵を見たし、沢山絵を描いた。
僕らが良しとしている絵の世界とは異なる、絵の世界に衝撃と影響も受けた。

でも、やっぱり売れたのは1枚だけだった。
僕は酷く疲れていた。

胸に2発の弾丸が達していた。
自殺だの他殺だのと周りは騒いでいた。
痛い。それに、うるさい。

兄さんがやってきた。僕は彼に最期の言葉を託した。
『このまま死んでゆけたらいいのだけど』

僕の名前はフィンセント・ファン・ゴッホ

僕は絵が好きで有名な画家になりたかった。
僕は結局その夢は果たせなかった。


先生は絵が描けないのだよ。一緒にクレヨンで遊んだね。わたくしの色彩の世界で埋もれる事があれば君を迎えに行くかもしれない。
なんでほっとけないんだ。誰かが離れろと言ってくれれば。
楽になる。
見捨てられた楽になる。
わたくしだってそうである。

暗闇の中で遠くから名前を呼ぶ。その先に居たデザイナーとお絵描きをした。それが気にならないのであればいつだって探してやる。
君がわたくしの遺影を撮るまではな。