lynnosukeのブログ

愛なんてそこじゃなくて生きてるだけじゃ足りなくて

記号

夢を見た。歪んだモナリザがこちらを見た。具現化された感覚に明晰夢は途切れた。どの角度から見ても微笑むはずの彼女はわたくしには違って見えた。まるで道化師。口を開けば歯は無く黒い洞窟。その魑魅魍魎とした世界に幾人もの男を飲み込んだであろう。マグダラのマリアの様に娼婦を神父とボッティチェリは隠した。人前で裸体を晒すヴィーナスは聖女ではない。妊婦のモナリザ。神父達が大金をばらまく。肉は踊る。まるで痴女。帽子を被った脂ぎったダヴィンチの鼻は象徴。足元をうろつく兎の耳を掴むと兎の躰の毛は逆立った。兎の頭からナイフで真っ直ぐ処女に斬り込む。その毛皮を裸体に着せてやる。モナリザの服を剥ぎ取ると腹は膨らみ出した。嘲笑うかの様にはち切れた肉の層から悶え出す白髪。モナリザへのオートクチュール

モナリザ、君は誰なんだ。