lynnosukeのブログ

愛なんてそこじゃなくて生きてるだけじゃ足りなくて

飛び込む

離れていった彼女を記憶から消し去ろうとは思わない。寧ろ暖めている。僕の胸の中で彼女はいつも笑顔だった。閉じ込められていた空間に居た僕を救おうとした。君は、離れて。と、目で合図をした。咄嗟に避けると君は背中でガラス窓を突き破って迎えに来た。倒れ込んだ君は冷たいガラスの破片を静かな悲鳴と共に背中に受けた。終わった。と、僕は思った。羽根は駄目になったであろう。僕のせいなのに。背中に刻んだ血はたぎり、それでも君はガラス片の上で起き上がり笑顔だった。傷だらけの君が笑った。君はゆっくりとガラスの破片を削ぎ落とし立ち上がり僕に抱きついた。
あの時のボルケーノ。
救われた。