着信

三日間ほぼ同時刻に着信があった。見てみると恐怖すら感じた。公衆電話からなのである。真っ先に思ったのは入院中の友人の母からなのではないかと。十年前まで付き合いがあり当時は携帯電話も家の電話回線も無く決まって公衆電話からであった。それが近年、携帯電話を持っていると聞かされたがわたくしにかけてきたところで知らない番号には出ない。なので公衆電話の表示が象徴的であったのだが一つ疑問点が。夜にわざわざ外に出るのか？呑みに行くのならまだしも連続で？もしかすると友人の病院先からなのではないのか？コロナウイルスの影響で自宅待機の看護士さんが大多数おり付き添いをしているのではないか？外来患者は受け付けておらずICUであれば看護士さんは欠かせないので一般病棟にでも移り夕食の世話でもしているのではないか？それにしても友人と母との関係は破綻しており現に面倒を看ているのは友人の弟さんなのである。王子さんにこの一連を伝えると、りんのすけと喋りたいんじゃない？入院を聞いたところでお見舞いに行ける状態ではなく身内のキーが無いと面会も出来ない。わたくしはJRの時刻表を見てみたが発着前後の着信ではないのだ。今のご時世、公衆電話を探す方が大変である。万が一の事があれば母の呑み仲間で別のわたくしの友人のおとんに連絡があると思ってはいるのだが困った事におとん曰わく、あいつは肝心な事を言わない、それどころか病院に行ってないだろ。や、あのね、あの親子関係は壊れているんだ、それで友人が泣きながら電話をしてきた事もあったんだ。なので弟さんがどこまで母に連絡をしているのかも不明、弟さんの年齢に近い層を辿るも連絡先まで辿り着かなかった。劇場型の母はいつも誰かに会いたくて一人歩きをしてみたり道路にずっと立っていたりの傾向があるのだが友人が入院をして数日後には遠く離れたスーパーでの目撃情報があった。この期に及んで誰かに会いたいのは明白であった。王子さんが、電話に出てみれば？違います。って、それか無言か。そんな事をしたって友人の電話帳を見たら分かるじゃん。そっか、なんか前にりんのすけの居た会社の社長の奥さんから電話があったじゃん、なんか話回ってんじゃないの？りんのすけに言っとかんとみたいな。わたくしはもう一つの線があった。母の再婚相手で離婚をしたがその父ちゃんと息子さんとわたくしは繋がりがある。先日、友人と話しをしたのだが入院中の友人の自宅に車があれば復帰は可能じゃないかと自宅療養になるのかどうなるのか部屋をそのままに出来ないでしょう。いずれにしても何かしら脳に後遺症はあると思うよ？こんな状況が一カ月、みんながモヤモヤとしている。