九月になると考え出す。それは恒例いくらの醤油漬けである。先月ろくにスーパーに行けず九月の第二週の時、王子さんに訊ねてみた。そろそろスーパーにいくらはあると？この間あったけど冷凍庫が空いているのかも分からないし、りんのすけが漬ける手間を考えて買って来なかったんだよねぇ、買っても良かった？うん、冷凍庫の在庫はあと一回ぐらいなんだ。第二週のおつかいでいくらを買ってきてもらった。本人は呑む日でステーキなんかを焼きつつわたくしがいくらをバラす作業をチラチラと見ていた。これには理由がある。一度わたくしの作業を見た事はあるものの手間がかかるのを知っていた。それがサッカーメイトの年下のH君が昨年、王子さんに言った言葉が気になっていたのは明確であった。Hがさぁ、いくら漬けたんだって、一度に大量に作ってはあまって傷むからいらないっすかぁ？って。王子さんは言ったそうだ。家にあるわ多分、H、小分けにして冷凍しておけばいいじゃん。って言ったんだぁ。あのですね、いくらをバラすよりも小分けのジップバッグに入れるのに大変なのですよわたくし、手が震えるから。わたくしよりも年下のH君がいくらを漬けた事に関心を持ちチラ見からガン見。笑。いくら専用の網とし所謂バーベの網は売られているが魚焼きグリルの網でも事たりるのだがわたくしは泡立て器を愛用をしている。やはり手を動かしたいので固定の網よりは勝手が良い。油彩や石膏で指を使う事があってもスパチュラやノミみたく道具で指先に伝達を受ける物をも好む傾向がある。台所を使っている王子さんにストレスがかからない様に手狭な箇所でラップを広げシンクの端に置いた塩水のボウルにいくらを流した。気になる王子さんはそれぐらいだったらどれだけの量か聞いてきた。初めてのいくらのおつかいにしては高値に感じていたからである。これは幸いとわたくしが買ってきていた四、五千円でだいたいの丼勘定を言うと、やっぱり少なかったかな…うん、四膳分ぐらいだよ。買ってきてくれただけで有り難いのでそれ以上は言わず漬けにかかる時も何を入れているのかチラ見をしていた。後日、まだあるけれどこれが王子さんが買ってきてくれたいくらだよ、どうだい？と聞くと、うっまい！あのね？時期が遅くなると塩分量に関係がなく硬くなるんだ。そんな中ニュースで知った。
いくらの買い時は九月の第三週です。
まじかよ。笑。そんなひと月も遅れた投稿。
