lynnosukeのブログ

愛なんてそこじゃなくて生きてるだけじゃ足りなくて

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全身の痛みに意識が朦朧とし目を閉じた。夢現の中で普段、使っているグラスの中にキャンドルの炎があった。瞼の上からでも灯りを知覚していた。次の瞬間、瞼の上から強烈な橙色の眩しさに驚き夢の中で目を開けた。グラスの横にいつの間にか燭台がありグラスが傾き燭台の炎にぶつかっている。グラスが溶けだし破裂したグラスがレンズとなり明晰夢ではっきりと自分が置かれている立場を理解した。グラスが溶ける程の怒りの熱量。以前なら夢のなかで文章を構築していた。燭台や炎、溶け出すマネキン、カードのキングが笑う。言葉の死体をロープで縛り湖畔を目指したりもした。気球で待ち合わせをし星を掴んだ。庭にある風見鶏がレコード盤。貝殻の中の隠れん坊。空が堕ちてきたら危ないと怒られた。ガラス瓶の中に君を閉じ込めた。暗い部屋の中のバブルリング。フィルムを持ってほの暗い海の底へ。長いトンネルも歩いた。大きな帆船、小さな部屋の蓄音機。二人きりの世界。

言葉の筆圧が戻らない。水中花から読み直す必要があるのかもしれない。

そして僕は夢を見る。