lynnosukeのブログ

愛なんてそこじゃなくて生きてるだけじゃ足りなくて

身の毛もよだつ話

帰宅後、王子さんが言った。りんのすけぇ、二十年ぐらい前に峠のコンビニがあった場所で事故があったの覚えていない?ワゴン車で一家が死亡したの。記憶にない。王子さんの勤める会社の系列会社のSさんが次の日の深夜そこを通ったら少女が居たと。慌てて車を停め、おーい!こんな時間に何してる?!と聞くと、紅白帽が無い。と言う。とりあえず車に乗せ、紅白帽なんて買ってもらえばいい、こんな時間に、どこに行けばいい?と聞くと、近くの廃校になった場所だと言う。車中Sさんと奥様と会話をしていた少女。校舎に着くと電気が点いており校舎前にはテーブルを囲み五人ぐらい座っていたと言うがヘッドライトに照らされても見向きも微動だにもしなかったと言う。少女を降ろした後、Sさんの横に気配を感じ見てみると、不気味に笑う女の顔があったと。怖くなり急いでその場を立ち去り時計を見ると時刻は深夜、三時三分。不審に思ったSさんの奥様が新聞を見るとSさん達が通った前日そこで死亡事故があり少女だけが車外へ、その時刻、三時三分。と記載されていたと言う。わたくしは聞いて鳥肌が立った。Sさんはこの辺りの出身ではないがSさんの奥様が王子さんの一個上の先輩であり仲が良くなった。作り話をする様な人ではない。わたくしは今までに心霊体験はあるものの物体として会話をしたというのは周囲に居らず初めて聞いた話である。その後Sさん達、何でもなかったの?と聞くとSさんが数年後、少女を乗せた場所で仕事で深夜トラックを運転中に居眠り運転でひっくり返ったと。後続車の方が目の当たりにし絶対、死んだと思ったら顔面血塗れのSさんが雑木林から出て来て恐怖だったと。それを聞いてふと、思い出した。二十年前のその頃、わたくしと友人で夜、スケボーをしに行きその雑木林に落ちているのである。今思えば何故そこに行ったのかも不明だし廃校になった校舎にも行った。日中は映画祭が行われ夜にライヴがあったので初めて行ったのだ。完全に何かに呼ばれていた事になる。辺りは街灯も無く真っ暗で半ば迷いながらも到着しライヴは良かったものの校舎の外は不気味なのである。焚き火を囲み民族衣装を纏った人がチルアウトをしとにかく異様な空間であった。今でいうグランピングの様な明るさとはまるで異なる。この様な現象がまかり通るのなら何処にも行けない話になるのだがわたくしはどうも引き寄せられる。二十年以上も経ちそんな話を聞いたわたくしは、本当に少女の紅白帽が見付かっていないのではないかと思った。