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lynnosukeのブログ

愛なんてそこじゃなくて生きてるだけじゃ足りなくて

カマキリ

スーパーマーケットでレジ打ちのアルバイトをしていた。毎日来る配送業者の男性と顔見知りになった。三月二十五日、男性はレジの下の棚に小さなギフトバッグを置いた。誕生日プレゼント!わたくしは接客中であったから話はできなかったがレジ待ちのお客さんはこの光景に微笑んだ。休憩時間にギフトバッグを開けてみると赤いハートの形をしたケースにパールのピアスとハート型のピアスが入っていた。高価そう…と、同時におばさんくさい…と、思った。次の日も来た男性にお礼を言うと日曜日にご飯に行こう。と、誘われた。日曜日にご飯に行くとわたくしの向かいに座った男性は、緊張している?と、聞きながらわたくしの横髪を耳にかけた。髪の毛を触られるのは心を許した相手のみだ。嫌だと思った。プレゼントのピアス、今日していないね、気に入らなかった?わたくしは気に入らなかったピアスについて、落としたら悪いから。と、嘘をついた。仕事が忙しいのにわざわざありがとう。と、言うと、仕事中に買いに行ったんだ。と、言った。社会人が仕事中に買いに行った。この後どうする?行きたいところある?と、言われ、特にない。と、言うと、走っていたら寄りたい所があるかもね。運転中、この仕事だと時間がなくて彼女もできないしカネを使うったって特に用事もないしいい買い物だったよ。店員にピアスのケースどちらが良いですか?って聞かれてね、四角くて青いのと赤いハートのがあってね、プレゼントのお相手はおいくつですか?って聞かれて、十五歳って言ったら赤いケースの方が可愛らしいですよ、ピアスはちょっと大人っぽいデザインですが。って言われてね。それでも俺は気に入ってね。ケース選びを嬉しそうに話した。左前方にホテルが見えた。男性は言った。疲れたね、昼寝でもするか?一人で喋った男性は一方的に疲れたようだ。部屋に入るとさも大人がリードをするように、シャワー浴びてきたら?と、言った。わたくしはシャワーを浴びたかった。触られた髪の毛を早く洗いたかった。シャワールームから服を着て出ると、あれ?服を着てきたの?と、言われた。男性はマッサージをしてあげるからベッドにおいで。と、言った。男性がシャワーを浴びて出てくると服を着ていた。わたくしをうつ伏せにしマッサージをしてくれた。バイト、大変でしょ?掛け持ちだもんなぁ、偉いよなぁ、俺が十五の時なんて遊んでいたよ。様々な体勢にされマッサージを受けた。手足が長くカマキリのような男性がこの日以来、嫌いになった。捕食する気にもならない。貰ったピアスは先輩にあげた。男性は職を変えた。

黒塗りの夜

黒いスラックスにヴェルサーチのシャツを着た彼は髪の毛をセットしていた。そこにある革靴、磨いておいて。ねぇ?どこに行くの?あいつねぇ、ちょっと悪さしてねぇ、女の家にいるみたいなんだよね。知っている?その女。うん、同級生だよ。釧路に逃げたって聞いたよ?帰って来てんのさ、バカだから。黒塗りの車を走らせ住宅街に着いた。ほらね、あいつの車があるでしょ。泳がすわ。彼は一度ワインレッド色の車の横をゆっくりと通り過ぎた。つい数日前まで乗っていた車。家から離れて見ていると二階の電気が消えカーテンが少し開いた。向こうからもこちらの車を確認している様子であった。車はゆっくりとバックをし家からは死角の場所に停まった。静かな住宅街に聞き慣れたマフラー音が聞こえた。見てろよ?と、言った彼は遠くなったテールランプを追った。追いかけられているのに気がついたあいつはスピードを上げた。彼もスピードを上げテールランプがギリギリに迫った所でクラクションを思いっきり鳴らした。車を追い越しあいつの車の前にびったりと付きブレーキを踏んだ。後ろから急ブレーキの音がした。わたくしは振り返った。斜めに車は停まっていた。彼はUターンをし逃れられないあいつの車の横に付け窓を開けた。どうなっちゃうんだろう…あいつは窓を開けた。笑顔で、久しぶりですね!気づきませんでしたよ!と、言った。わたくしと目が合い、あっ、りんとデートですか?彼は車から降りあいつの顔面を思いっきり殴った。どういう意味か分かるな?いや、あの、すみません。と、言いながら顔を覆っていた。二人の間に何があったのかは知らないが謝るぐらいだから悪い事をしたのであろう。りんに近づいても駄目だし、二度と俺の前を走るなよ。と、彼は言った。

一転

ワインレッド色のセダンが来た。学校までまだ早いな?ちょっと遠回りしてやるわ、煙草一本、吸えるぐらい。いつも連んでいる友人であったが助手席に乗るのは初めてであった。放課後、迎えに来た彼とわたくしの部屋にいた。何か二人でいるの変な感じがするね?

おでこへの口づけは相手を可愛がる時や愛おしいと感じる時
ほっぺへの口づけは好意や友情を示す
手のひらへの口づけは求愛の表現で自分の愛を伝える為の強い表現
首筋への口づけは男性から女性へする時、性的な意味をもつ
唇への口づけはお互いの愛情を確かめる
耳への口づけは、あなたを抱きたい

仰向けにされわたくしの両手を握りしめた彼から全てを受けた。
あのね?鏡を一緒に見ると仲良くなれるんだって。そう言うと彼はわたくしの頬に顔を寄せ嬉しそうに仲良くなれるかなぁ?と、言った。例外もあるかもよ?と、言ったら、こらこらこら、と、抱きつかれた。何か食べに行くか?俺が好きな所でいい?美味しいぞ、食べさせてやる。うん。今日で三回目に乗る助手席は指定席になった。お店に着き待っている間もわたくしのほっぺを撫でたり頭を撫でてくれた。料理が来ると、りんは猫舌だからな、フーフーとしたスプーンに盛られた食事をわたくしの口に運んだ。美味しい?うん。サラダも食べるか?まだ口に入ってるもん。食べさせてくれた。
あいつの車が駅前にあるから何をしているのかと思って聞きに行ったらよ、りんに電話をしてもまだ帰って来ていないからここに停まっていたら分かるかな?と、思ってさ。って、言ったんだ。え?りん?最近一緒みたいだわ。あの二人。あいつハマったね。
スタンドへ行くといつものメンバーが洗車をしていた。マフラー音に気がついたみんなはこちらを見ていたが彼は猛スピードでヤンキーホーンを二回鳴らし通り過ぎた。そしてすぐさまUターンをし洗車場に向かった。ねぇねぇ、コールきって突っ込んでみて。コールをきりながらみんなの中ギリギリまで車は突っ込んだ。本当に轢かれると思ったみんなは散った。ひとりは盛大に転び、ひとりはジュースの缶を投げ出した。わたくしは大笑いで車から降りると友人は、危ないから!俺、焦ってワックスの缶、踏んづけてこけたわ!靴裏にはべっとりとワックスが付いていた。俺、ジュース開けたばっかしで飲んでいないのに飛ばしたわ!りんが突っ込めって言ったから突っ込んだんだぞ、俺は悪くないね。そしてわたくしを乗せたセダンは交差点でドリフトをし夜道を走った。
あいつ、釧路に行ったっていうか逃げたらしいよ?りんは?りんは○○さんの横に乗っているわ。○○さん!?あいつ○○さんに追われているらしいわ。
一緒に鏡を見ても仲良くはなれないと知った。

疲れきっていた

連休中、友達のおばあちゃんの家に一緒に泊まりに行く事になった。初めて行く田舎町、バスに揺られながら。着くと農家をしているというおばあちゃんや息子さんがいて二世帯家族の賑やかさを見た。わたくしの両親は共働きで一人っ子のわたくしは一人静かに食事をしていたから。夜、車も通らない国道に寝転んだ。わたくしは彼がいなくなってぽっかりと心に穴が空いたままであった。友達と星を見ていた。りんちゃん?りんちゃんに紹介したい人がいるんだ。八歳上の人。そろそろ彼氏が欲しいと思っていた。その時、二人で叫んだ。流れ星!願い事した!?間に合わなかった。そう簡単に願いは叶わないのだ。するとあれよあれよと流れ星が流れた。こんなにも立て続けに流れ星を見たのは初めてであった。わたくしは彼氏ができますように。と、幾つもの流れ星に願いをこめた。後日、紹介をされた男性とお付き合いをする事になった。この頃、わたくしの父は頸椎損傷で車椅子となりバイト代より高い列車に乗って介護に行っていた。学校でのいじめも酷くなりわたくしは家出をした。何もかもから逃げたかった。札幌や稚内市まで転々とした。彼に頼んでわたくしの父が入院をする病院に行ってわたくしは友達の家にいると伝えて欲しい。と、わたくしは車の中で待っていた。しばらくして戻ってきた彼は、わたくしも来ているのではないか?と、言われ、焦った。と、言った。家出生活にも疲れたわたくしは仲が良い友達の家に行った。この友達にすら何も言わずに家出をしたのでえらい大変な騒ぎであったらしく直ぐに学校に電話をされた。三人の先生が迎えに来て地獄の取り調べが行われた。何時何分どこで誰といたのか?目撃者が言っていた一緒にいた人は誰なのか?それでも担任は、帰って来て良かった。お風呂とかどうしていた?と、心配をしてくれた。父と父の彼女と彼と学校での話し合いで学校を休む事になった。担任や他の教師の計らいで介護と静養という事で休学扱いにはならなかった。祖父母の所より父の彼女の家にいた方がいい。と、しばらくは彼女の家に引き取られた。彼女の家から一緒に介護に通った。彼女の家からも彼のマンションは近くわたくしは安らかながらも父や自分達の将来が心配であった。彼と結婚をしようと思ったがたまに頼りなく感じていた彼と結婚をしなくて良かったと思った。日数が足りないながらも卒業をし総務課の受付に就職をしたわたくしはしばらくして彼と別れた。

絡まる

退学と同時に別れていた姉ちゃんの元彼氏がバイク事故を起こしたと聞き電話をした。怪我はしていない。と、言った。とりあえず家にお見舞いに行った。季節は秋になっていた。学校の様子や退学をした友達の近況を話した。俺がいなくて寂しかったでしょ?と、言った。あのねぇ、姉ちゃんとあいつ夏にしちゃったんだって、夏休みと土日に姉ちゃんが働いている旅館に住み込みでバイトに行っていたんだ。それでもう終わった事だから姉ちゃんにあいつとしちゃったのを知っているよ。って、言ったら笑っていたよ。あんな女どうでもいいんだわ。と、言った。わたくしもどうでもいいと思ったよ。入学から夏にはみんながどうでもいい雰囲気になり次々と退学という連鎖が起きていた。りん、おいで。と、彼は両手を広げた。学校にいる時に休み時間に教室の後ろにダンボールを敷き寝転ぶ仲であったので馴染みのある温かさであった。たまに姉ちゃんから復縁の電話があったそうだが居留守を使っていたそうだ。その後、姉ちゃんは呑みに行って知り合った方と結婚をしたのだかこれまたお相手がわたくしの知人であり姉ちゃんは何で知ってんの!?と、驚いた。

繋がる

明日から夏休みかぁ。と、部屋にいると電話が鳴った。退学をした姉ちゃんからであった。住み込み旅館に勤めた姉ちゃんは開口一番に言った。明日から夏休みだべ?バイトに来い、住み込みで。断る理由もなく了承した。送迎バスに乗り旅館に着くと二階から、おい!来たか!と、相変わらずの口調で招き入れてくれた。旅館の仕事はすこぶる大変であった。姉ちゃんと他二名の女性と毎晩、川の字で寝ていたが姉ちゃんは言った。○○さんねぇ、男いるのにフロントの男の部屋に毎晩、行って朝こっそり帰ってきてんだ、言うなよ。うん。彼氏に毎晩、電話をしているのを見ていたので驚いた。その彼氏さんに会う機会があった。仲が良く見えたが彼氏さんは言った。別れたいんだよねぇ。男女の関係というのはつくづく分からないものである。○○さんは結果的に彼氏さんと別れてフロントの男性と結婚をした。何だかんだと卒業をしたわたくしは車のチームの友達と食事に行った。そこに仲良しでわたくしの彼氏と付き合った友達がいた。久しぶりの再会に大喜びをしたのも束の間、彼女の目の前にはあの○○さんの元彼氏さんがいた。お互い、えっ!と、驚いたのだが彼女も同じで何で知り合いなの!?と、言われたが説明に困りとにかく知り合い。と、流した。彼女の父親が紹介した男性こそが彼氏さんであった。

祭の終わり

俺と付き合って。と、彼は言った。何となくのスタートであった。だぶりで入学をした彼は下宿をしていた。そこは女人禁制なのだがいつも女生徒がいたらしくある日、担任教師がガサ入れに行くと煙草の煙が充満していたそうだ。お前ら煙草、吸ってんな!と、温厚な教師は怒鳴ったそうだ。彼はこいつらじゃなくて俺が吸ってんだから俺を停学にでも退学にでもすればいいべや!と、言ったそうだ。彼は授業中に教師を蹴り飛ばしたりバイクを盗んだりと悪さばかりを繰り返していた、即停学。彼の膝の上に座り授業を受けたりとにかくだらだらと過ごしていたが教師はわたくしにはお咎めをしなかった。クラスの代議員であったりクラスの事には全力であったのも一因かもしれない。学祭シーズンになり友人や彼のハッピを縫ったり行灯の代表になったりと忙しかった。そうしてバンド部屋にあまり行けなくなっていたのだが行くと姉ちゃんと呼んでいた先輩と彼がピアスの穴を開けると騒いでいた。やけに仲が良く後日、友達が言いにくいんだけど、あの二人ヤッたみたい。正直どうでもいいと思った。学祭当日の夜、行灯の笛吹き担当のわたくしは酸欠になるほどに笛を吹いていた。車が来た時の緊急の笛の吹き方やパターンがある。それに合わせて行灯が動く。休憩中に見てしまった。仲良しの友達と彼が手を繋いで立っていた。咄嗟にわたくしは緊急時の笛を吹いた。止まっていた行灯は物凄い勢いで動き出したが車などは来ていないのでみんなは、えっ!?と、こちらを振り向いた。気まずそうな二人をよそに笛を吹き続けた。みんなも気がついた様子で派手に行灯を回した。学祭の終わりを告げる花火が上がりわたくしのどうでもいい恋愛が終わった。その後、彼は退学をし地元で就職をし仲良しの友達はいじめに遭い保健室登校をしていた。それでも仲が良かった彼女から遠距離恋愛をしている。と、聞いた。父親には反対をされていて父親の知人の息子さんを紹介する。と、言われている。と、言った。その頃には友達のほとんどが退学をした。