lynnosukeのブログ

愛なんてそこじゃなくて生きてるだけじゃ足りなくて

2018-04-01から1ヶ月間の記事一覧

メルセ始動

起きてから全身の痛みが弱く、といってもかなりな痛みであるが車庫まで王子さんの妹から奪った軽に乗り行ってみた。かなり体調は悪いのだがメルセのバッテリーが上がっているのが気になっていた。別の車を弄っている王子さんにメルセ乗れるの? 駄目だよ。 …

Alive

動けないわたくしはいつも箱の中で横たわっている。ベビーベッドの格子の木をなぞる。バスタオルと供に居たわたくしは動物園で見た牙を剥いた黒ヒョウの前で鉄格子に頭を挟まれる。見えにくい目で箱部屋の中を見渡す。視覚野から側頭部への神経伝達に時間が…

20120217 友人との共作 無題

あ~また列車に飛び込んだ馬鹿がいる。と、彼は会社帰りの疲れを吐露するかのようにネクタイを緩め腕時計に目を向けた。どこかで一杯呑むか。その時である。ポツポツと暗闇でも分かるくらいの水色の雨が降ってきた。 目が覚めた。 夢だったのか。ん?そこは一面、…

渇き

この二日間ほど夢を見た。 又、金魚の夢である。苫小牧へ帰れない季節なのかは未だに解らない。全身不随意の痛みで思考が定まらない。見えにくい目で金魚の夢を検索をし何となく流し読んだ。特に知りたくも無い。わたくしが書いていた文章に金魚が二度程、登…

溺れ堕ちてゆく

膨張をする脳の痛みで聴覚が濁る。深海に堕ちてゆく閉塞感。何も見えないわたくしは少しだけ残る聴覚と嗅覚だけで貴方を探す。探り当て急ぎ絡まった温度を感じない指先は離れた。冷たい暗闇の中で息が出来ない。君が離れてゆく。互いに掴もうとした掌が落ち…

彼方

ただ美しい世界。極彩色よりも柔らかな色彩が広がる大地。光の眩しさや湿度すら感じない無風にどこから途もなく音が聞こえてくる。人間の死後、最後まで生きている器官の耳。体温を失い初めて見渡した新しい世界は天国であった。生前一緒だった人達すらそこ…

高低差

プロレタリアの空は広い。誇張された人間には解らない自己の小ささを。空の温度は低いが地面はマグマの地下熱に火傷をするので踏み出せない。本来的な素足と鎧という足枷だけの違いだけで背伸びをした人間は地上で靴擦れを起こした。縺れ込み前のめりにゆっ…

夢だったのだよ

君が離れてゆく。俺から離れてゆく。俺の中で埋められない時間を君に当て嵌めていた。俺の知識を遥かに上回っていた君に凌駕をした。俺には君がいつも端的に危なっかしく付いていてあげないと。と、ずっと思っていたが君は違った。俺が甘えていた。二人きり…

空間

綺麗なままで死にたいの。彼女は僕にそう言った。彼女の口から死という言葉を聞いて僕は動揺をした。誰にも止められない頃の彼女は太く短く進んで行った。それは誰も追いつけない程に。今の彼女は違うと思っていた。ただ静かに、細くとも永く息をしているの…

待っている 声

愛されると離れたくなる。一瞬だけよぎる永遠。この世に永遠なんて無い。その一瞬の幸せを拒む。全身傷だらけで触れられると痛むから。体温に締め付けられると応えられない。 声にも温度があるが言葉に傷つけられても声には傷つけられない。見えない表情、受…

無題

傷がつく手前で羅列された固形物を一番奥で噛み締める。ガルバニー電流に合金も無いわたくしは化合物として微弱な電流で拍とイオンになりたかった。 膣は産道であり痛みや快楽の縁側ではなく廊下なのである。暗く光に開けている様でさらに暗い子宮口が大きく…

隙間

幾年にも後ろ髪を引かれていたわたくしは深夜、白熱灯の光を放つ洗面台で髪を切り落とす。想いが遺っている髪を自らの鋏で切り落とす。指に力を込め何度も何度も切り離す。我に返る不均衡なわたくしは非対称に髪を残した。切り離せない想い。過去とこれから…