lynnosukeのブログ

愛なんてそこじゃなくて生きてるだけじゃ足りなくて

2017-03-01から1ヶ月間の記事一覧

ミディアムなコア

友人がわたくしの誕生日を祝うというのでレストランに行った。コース料理でメインはステーキ。店員が焼き加減はどうなさいますか?と、聞き、友人のたぁちゃんはミディアムレアで。と、言った。店員はミディアムもレアもたいして変わりありません。と、言っ…

太客

本来サクラというものは毎回毎回、自分の名前を変えなければならない。が、わたくしは声のトーンを変える事はできず言葉のイントネーションも独特らしくそのまま「りん」で名前を通していた。これは逆に言えば暇な素人のりんちゃんが電話をしている。という…

花は散る

友人二名がどこかに電話をかけだした。今日は暇だね。と、言いながら受話器を持っていた。しばらくして、あっ、初めまして○○です。と、偽名を使った。今、友達といて暇で電話をしました。と、言いながら受話器の向こうの相手はわたくしに電話を代わるように…

カマキリ

スーパーマーケットでレジ打ちのアルバイトをしていた。毎日来る配送業者の男性と顔見知りになった。三月二十五日、男性はレジの下の棚に小さなギフトバッグを置いた。誕生日プレゼント!わたくしは接客中であったから話はできなかったがレジ待ちのお客さん…

黒塗りの夜

黒いスラックスにヴェルサーチのシャツを着た彼は髪の毛をセットしていた。そこにある革靴、磨いておいて。ねぇ?どこに行くの?あいつねぇ、ちょっと悪さしてねぇ、女の家にいるみたいなんだよね。知っている?その女。うん、同級生だよ。釧路に逃げたって…

一転

ワインレッド色のセダンが来た。学校までまだ早いな?ちょっと遠回りしてやるわ、煙草一本、吸えるぐらい。いつも連んでいる友人であったが助手席に乗るのは初めてであった。放課後、迎えに来た彼とわたくしの部屋にいた。何か二人でいるの変な感じがするね…

疲れきっていた

連休中、友達のおばあちゃんの家に一緒に泊まりに行く事になった。初めて行く田舎町、バスに揺られながら。着くと農家をしているというおばあちゃんや息子さんがいて二世帯家族の賑やかさを見た。わたくしの両親は共働きで一人っ子のわたくしは一人静かに食…

絡まる

退学と同時に別れていた姉ちゃんの元彼氏がバイク事故を起こしたと聞き電話をした。怪我はしていない。と、言った。とりあえず家にお見舞いに行った。季節は秋になっていた。学校の様子や退学をした友達の近況を話した。俺がいなくて寂しかったでしょ?と、…

繋がる

明日から夏休みかぁ。と、部屋にいると電話が鳴った。退学をした姉ちゃんからであった。住み込み旅館に勤めた姉ちゃんは開口一番に言った。明日から夏休みだべ?バイトに来い、住み込みで。断る理由もなく了承した。送迎バスに乗り旅館に着くと二階から、お…

祭の終わり

俺と付き合って。と、彼は言った。何となくのスタートであった。だぶりで入学をした彼は下宿をしていた。そこは女人禁制なのだがいつも女生徒がいたらしくある日、担任教師がガサ入れに行くと煙草の煙が充満していたそうだ。お前ら煙草、吸ってんな!と、温…

本は毒である

小学生の頃、母はわたくしに次郎物語のセットを渡した。読みなさい。と。小学生の自分に読めるわけもなくただ本を見つめていると母はノートと漢和辞典を置いた。漢字から調べろというのだ。本当に嫌で気の遠くなる作業であった。漢字を調べたところで意味な…

三途の川の右側を見た

昨日の誕生日はお寿司とステーキをご馳走になった。りんのすけが呑めそうならお刺身もあるよ。と、言われ二杯だけにごりを呑んだ。切ってもらったスイカを食べると末期の水の様に身体に染み渡った。子どもの頃から身体が弱く度々入院をしては必ずスイカを要…

生(せい)の速度

平成十四年 三月 二十五日 わたくしの母はベッドの中で亡くなった。四十八歳、脳溢血。死亡推定時刻はわたくしを産み落とした時刻とほぼ同時刻。その日に限って夕食後に空腹だったのか母は丼でご飯を食べたという。その頃、お誕生日おめでとうの着信履歴があ…

私の上着

夜の洗車場にたむろをするのが日課であった。そこに行けば誰かしら洗車に来ていた。そこにツーシーターのスポーツカーが入ってきた。車は見た事があったが話をした事はなかった。二個上の先輩が言った。あれ、俺の先輩だよ。話しかけてみ?わたくしは話しか…

パンチライン

俺の女、何かした?見知らぬ男性はそう言った。友人とわたくしはビアパーティーに来ていた。二人組の男性にしつこく話しかけられていたところ一度、通り過ぎた男性であった。わたくし達と二人組の男性が知り合い同士なのか確認をしたそうだ。俺の女、何かし…

インディゴブルー

高校に入学をしたての頃、教室に隣のクラスの男子生徒が入ってきた。ブレザーの上からデニムジャケットを着た彼と目が合った。一瞬、時間が止まった。一目惚れをした。休み時間に度々わたくしのクラスにいる同じ中学校であったらしい男子生徒に会いに来てい…

そこにいた景色

夜の街にいても孤独じゃなかった?と、聞かれ、埋める事などはできずにテールランプを見ていた。と、答えた。 友人の紹介で知り合った高校を中退した男性がいた。彼のお兄ちゃんはクラブでバーテンダーをしていたのでわたくしは顔パスでクラブに出入りをして…

白い部屋の中で

初夏、札幌でザ マッドカプセルマーケッツのライヴがある為に札幌へ行く準備をしていた。シャワーを浴び髪の毛をセットした。Tシャツにパラシュートパンツを穿きサスペンダーを付けた。部屋を出、ドクターマーチンを履く為に前屈みになった刹那、サスペンダ…

感情の入口

テレビから耳に入ってきた。 僕は彼女と一緒だと自分と向き合える気がするんだ。 わたくしは思った。自分と向き合えるというのは相手に対して懐をさらけ出すという事である。男性にはプライドというものがあるからして滅多に女性に対しては弱音を吐かないで…

罪と罰について ドストエフスキー

P453 犯罪遂行の行為は必ず病気を伴うものだ思想 この世の中には一切の無法行為や犯罪を行う事ができる。いや、できるというのではなく完全な権利をもっている。ある種の人々が存在し法律もその人々の為に書かれたものではない。(暗示) 凡人と非凡人 凡人…

離れゆく愛

二十代の頃、お付き合いをしている方と喧嘩をし真夜中に部屋を出た。以前お付き合いをしていた方の家までひたすら歩いた。テレビの灯りが反射している窓ガラスに小石を投げた。音に気がついた彼はカーテンを開け窓を開けた。下から見上げたわたくしの顔を嬉…

ホワイトデー

起きてからの付随意や全身のビリビリブルブルの痛みが尋常ではなく心が折れかけていた。いや、折れていたのだと思う。王子さんに作っておいたあさりのお味噌汁を彼は忘れ残していた。国産のあさりでようやく安価な品を見つけ面倒だという王子さんにあさりや…

パキシル断薬一年八ヶ月

もう後戻りはできない。アシュトンマニュアルの様に薬の離脱に減薬ペースをゆっくりとするか他の薬で置換をしなかった代償でもあるがわたくしは七年間預貯金で生活をしているので無理な減断薬を選択した。それ以前はパートで失業手当が出ない範囲内で雇用を…