lynnosukeのブログ

愛なんてそこじゃなくて生きてるだけじゃ足りなくて

又いつか逢いたい。

どうして?何で?と、抱きついた。掴んだ骨格を瞬時に好きだと思った。駄目な男ほど強い肉体を持っている。外套の間からYシャツと肌着が蒸れる体臭。
この先も愛してくれる?気がつけば好きになっていた。愛を感じない男は総てを剥がしにかかる。去勢をされたわたくしは浅はかな距離で君が果てるのを待つ。何度も何度も揺られながら痛みに絶える。愛なんて無いのに一瞬でも愛されていたと感じた時にざらついたシーツの上で閉じていた目。堪えていた。君と共犯者にはなりたくはなかった。

夜が来る

満月の夜、月明かりを頼りに男達は狩りに出る。主人が居ない家を女は守る。無防備な女は急激なスピードで狭間から男に襲われる。満月の夜に灰色の暗雲が流れる。身の危険を感じた女は子宮から鮮血を滴り出す。月のもの。不気味な月がゆっくりと落ちてくる。一度でも愛した男を守る手段。汗ばむ獣の臭いを放つ男。愛した男以外の生命体を身籠もりたくは無い。海馬の中が産まれた時の事を考える。螺旋状の記憶は横並びの歯状回と同時に視床下部から電気信号でダイレクトに伝わる。生きた揺り籠は紅い涙を流す。止め処もない感情。誇示をしたい男は白いエネルギーを放出する。流れ出し名前も知らない男は重たい足取りで呼吸を乱し熱量がある髪の毛を掻き揚げ出て行く。無防備になった白々しい朝が来る前に身体中を強く洗い流す。汚れた身体を力尽きるまで洗い流す。鼻腔に残る男の匂い。三白眼の獣の目。男の重みを知った冷えた身体で藪の中の穂はざわつき夕陽を見せた。
又、夜が来る。

メルセ始動

起きてから全身の痛みが弱く、といってもかなりな痛みであるが車庫まで王子さんの妹から奪った軽に乗り行ってみた。かなり体調は悪いのだがメルセのバッテリーが上がっているのが気になっていた。別の車を弄っている王子さんにメルセ乗れるの?
駄目だよ。
えぇ!?なんで!?
このバッテリーじゃ容量が少なくてかからんかったわ。シグナスじゃないと駄目だわ。
分かった、シグナス持ってくるわ。妹から奪った軽で家に戻りシグナスで車庫へ。
リード線が届きませんの。笑。
長いのなかったっけ?どの車にも無いんだよな。と、王子さんが言った。
ジムニーに積んであるまま下げちゃっているから。←エンジンの載せ替えから未だ戻らないジムニー
リードをしても一発ではかからないメルセデス。りんのすけぇ、シグナス2000回転ぐらいで回して。
ブーン、ブーン、ブーン。
スワォーン!かかりましたよ、メルセ。かなり空ぶかしをしました。わたくし嫌なのですよ、空ぶかしって。それを承知でローレルでコールを切っていた若さはそこにはありません。車が傷む…んで、燃料を入れに先輩と後輩が勤めているガソスタへ。夏しか乗らないメルセに興奮をする従業員。それよりもわたくしを全く見ないので大興奮をする従業員。やー、かっこいいわぁ。またベンツなのにネルシャツって何!?。何がそんなにも興奮をしているのか?バッテリーが上がっていたから充電がてら乗らないとね、行ってきます。と、スーパーに行く予定でもなかったのだが燃料を入れに行く前に王子さんに何か買ってきて。と、言われました。こってりであっさりで。何だその注文は。何しか中華だな。とか内心あまり考えておらず走り行きつけのショップに友人のアメ車が停まっていたので寄り道。久しぶりだな。と、ハグをしてもらい中華屋に行くも時間外であった。この時点でかなり痛みは強くなり藤丸へと走った。別の行きつけのショップの方を見るとハザードを焚いた車が二台ほど停まっていた。目が見えにくいのに街中まで来たわたくしはとにかく早く帰りたかったので藤丸のデパ地下で買い物を済ませた。エンジンを止めてバッテリーが上がったら最悪だと不随意でびっこの脚でぴこたんぴこたんと急ぎ。駐車場でエンジンをかけると、ん!!?何これ!?何だか分からないチェックランプが点いております。テンパり何かが焼き付いたら終わりだ!!オートバックスに入ります。ラジエーターですね、冷却水が減っている。えぇっ…このまま走れます?あまり走らない方がいいです、うちではどうにもならないのでディーラーに。
きたわ、外車苛め。外車ハラスメント。王子さんに電話をしました。
バックスに来たらうちではどうにもならないのでディーラーに。って、言われた。どうしようかと思って。乗ったら駄目?
動じない王子さんは言いました。
サブタンクのが減っているだけだから何ら問題はない。
なら言っておいてよ…と、内心、思いながらも急ぎで帰ってきました。
飛ばさないわたくしがシャーって。
結果ハイオクワンゲージ無いのね。

Alive

動けないわたくしはいつも箱の中で横たわっている。ベビーベッドの格子の木をなぞる。バスタオルと供に居たわたくしは動物園で見た牙を剥いた黒ヒョウの前で鉄格子に頭を挟まれる。見えにくい目で箱部屋の中を見渡す。視覚野から側頭部への神経伝達に時間がかかる。締め付けられてきた脳の痛み。頭上にハンドベルの音が大音量で響く。祖父が生前、呼び出しの時に離れ隔てたドアから遠く薄曇った鈴の音を鳴らしていた頃よりも間近に。あの頃いつもいい子で居ようと耳を澄ませていた。大人になったはずのわたくしは音の大きさに心拍数が上がりようやく前頭前野が認識をする。突然、閃輝暗転を起こす。眼を守ろうと瞼を閉じる。視神経はスパイラルに加速をし眼球は振動をする。暗闇の下瞼から幾何学の光が上へと溢れ出す。暗闇の中の眼は記憶の断片として動き回る。全身の痛みにじっと堪える。骨が軋み筋肉や神経が千切れる音を立て内臓は絞られる。疲れきったわたくしは人間の無意識の意味を考える。デフォルトモードネットワーク。その音を聞いている。この世に無意識等は存在はしない。細胞が伝えているのだから。やり直せと思いたい。肢体は木となり這わす。導き出し速度で。

20120217 友人との共作 無題

あ~また列車に飛び込んだ馬鹿がいる。と、彼は会社帰りの疲れを吐露するかのようにネクタイを緩め腕時計に目を向けた。どこかで一杯呑むか。その時である。ポツポツと暗闇でも分かるくらいの水色の雨が降ってきた。
目が覚めた。
夢だったのか。ん?そこは一面、青い珊瑚礁が広がる島だった。太陽の位置からして正午ぐらいであろう。白い砂浜で目が覚めた私はいつからここにいたのか全身が枯渇していた。喉の奥でせき止められたら唾をようやくと飲み込んだ。頭が重く昨夜の記憶を辿る。確か駅のホームに行き人身事故の為、混雑した人の波に逆らい駅を出た。その時に雨が降り出し私は名前も知らない呑み屋に入った。店内には雨宿りをする客がひっきりなしに入ってきた。ざわつく店内をよそに私は独り静かに呑んでいた。壁には季節感など全く無視をした南国の海の絵が飾られていた。都会の喧騒などとは余程かけ離れたその絵をぼーっと眺めていた。しかしどこか懐かしさを感じるその絵は以前どこかで見たことがある。そんな記憶の断片を繋ぎ合わせようとしていた。そしてその先の記憶はなく目が覚めると私は壁に飾られていた風景の中にいた。過去と未来の区別がつかない。昨夜あの店内で何が起きたのか。私は会社を無断欠勤をしていることに気がついたがそんなことなどどうでもよくなった。その時である。背筋に冷やりと汗が伝った。私は会社をリストラされ軽い気持ちで列車に飛び込んだのだ。一瞬の出来事であった。跳ね飛ばされた私の身体は物凄いスピードで砕け散った。だとすると身を投じる前に呑み屋に立ち入ったことになる。だが私の体は知らない島にあり身を投げたことすら曖昧になってしまった。

渇き

この二日間ほど夢を見た。
又、金魚の夢である。苫小牧へ帰れない季節なのかは未だに解らない。全身不随意の痛みで思考が定まらない。見えにくい目で金魚の夢を検索をし何となく流し読んだ。特に知りたくも無い。わたくしが書いていた文章に金魚が二度程、登場をしている。
その金魚の夢を見たんだ。
優雅にさ迷い何か不幸な事が起こるのではないのか?と、左脳がスライスされた瞬間に飛び起きる。脳内爆発音症候群は頻繁に起き脳内や全身が誰の物では無い自分のやるせなさを襲う。

流転の彩り - lynnosukeのブログ http://lynnosuke.hatenablog.com/entry/2017/05/03/140457
シンボリック - lynnosukeのブログ http://lynnosuke.hatenablog.com/entry/2017/06/06/090737

わたくしは脳内爆発音症候群とアリス症候群にずっと悩まされているから。

溺れ堕ちてゆく

膨張をする脳の痛みで聴覚が濁る。深海に堕ちてゆく閉塞感。何も見えないわたくしは少しだけ残る聴覚と嗅覚だけで貴方を探す。探り当て急ぎ絡まった温度を感じない指先は離れた。冷たい暗闇の中で息が出来ない。君が離れてゆく。互いに掴もうとした掌が落ちてゆく。また逢えると、必ず逢えると言った貴方が手を伸ばし沈んでゆく。わたくしは胎児の時の様に丸めた体で沈んでゆく。細胞分裂で出逢い離れてゆくその時にわたくしは貴方に着床をしようと追いかける。
神は乗り越えられる人にしか試練を与えない。
言霊で関わり合えば肉体同士は離れても魂は繋がり合っている。ぶつかり合い離れてゆく人間同士は最初からそれまでの関係でしかない。