lynnosukeのブログ

愛なんてそこじゃなくて生きてるだけじゃ足りなくて

ランデヴー

変わらない横顔を微笑ましく見ていた。男同士で話す時の横顔をいつも見ていた気がする。仰向けに寝息を立てていた横顔が幸せなストップモーションで蘇る。わたくしは海馬に記憶を収納していた。大切に。忘れずに。開けっ放しの窓、恥ずかしいからカーテンを閉めて。と、お願いするとレースのカーテンだけを閉めた。お互い白髪が混じる年齢になったが何も変わらない。駆け寄って抱きつく時の胸の位置。腰に腕を回してくれる強さ。見上げると下目遣いで目をしっかりと見てくれるその時の匂い。

そろそろ行くわ。と、言った彼の名前を呼び止めた。二人の友人は振り返ってわたくし達を見た。
共犯の目で話す。
帰り道、バックミラーを見ると彼が後ろを走っていた。20分間。一緒に居られた。
それだけで幸せだった。