愛していると言われた
嫌な気分になったのにもかかわらず
迂闊にも一緒になった
えんじ色のセダンに乗っていた
男
勝手すぎて
嫌いになるのにも早かった
苦しむのが早く
結婚歴があり
子どもが一人いた
さっさと終わって欲しいと思った
仕方がなく一緒にいた
少しでも目を覚まして欲しいと思っていた
生活の安定は無かった
そいつの前の奥さんが多額の借金を残してわたくしが一緒にいた男性にのめり込んだ
単なる残された者同士
近くにいただけである
付き合った日々に疑問が残る
展開としては友人からわたくしの電話番号を聞き急に部屋に来た
突然キスをされかけた
何が起きているのか分からなかった
日常に入り込まれるのは嫌いである
温もりなどはいらなかった
燃料がなくなったと怒られた
呑みに行ったわたくしをエンジンをかけたまま朝まで勝手に待っていた
話をするのも嫌なほど嫌いになっていた
ひるむ事を止めない男を無視した
普段からわがままだったからである
下手にかまうと甘える
本当に疲れる男
全く反省もしない
身なりばかりを取り繕い
息子の面倒も見ない
目立ちたいだけのそれだけで
目的は不明瞭
やたらに嘘をつき
夢を語る
世の中の甘さの中にいた
楽に生きようとしてきた
両親に甘え
ルールに同意はできなかった
連日なる借金の取り立て
ろくに働きもせず
わたくしには理解ができないそいつにグラスに入っていた水を思いっきり顔にかけた。インコースから。