lynnosukeのブログ

愛なんてそこじゃなくて生きてるだけじゃ足りなくて

記憶の中

シルクスクリーンに露光された二人の想い。滲み出す感情をゆっくりと転写する粘性の色彩の中で君と溺れる。君の身体中に手を這わせ僕の色に染める。頭上からスパイラルに滴り落ち混ざり合う色で何度も君を塗り替える。想い出の色に身体は重くなり僕が支える。幾重にも纏った塗料はやがて乾き始め身動きが取れない君をさらに抱き絞める。想い出が剥がれ落ちる前に君は涙を込み上げ僕の色を洗い流す。涙で色づき弾け飛ぶ虚構の時間。白くさらけ出す肌に君に覆い被り唇で印しを増やす。体温が僕と同化をする。抱いたリボンの上で君を風が結びつける。
僕との事、忘れないでね。
君が解いた髪結いのリボンで僕は君を絞める。