lynnosukeのブログ

愛なんてそこじゃなくて生きてるだけじゃ足りなくて

未来

春だった。小さなビーズを指先から二人で繋ぎあった。傷ついていた私達は触れた指先だけで幸せであった。見つめる孔雀の目。君は煌びやかな羽をしまい込み私は地味な羽を閉ざしていた。孤独を背負う同じ目をしていた。夏には背中を合わせ鏡の中の笑顔の自分達を見つめた。暖め合った二人だけのファッションショー。秋の空気中、孤独という冷えは消え去っていた。
目が見えるのなら君がプレゼントをしてくれた本を詠み二人が好きな映画を観たい。身体に痛みが無いのなら何処までも君を迎えに行きたい。そして手を紡ぎ合い描きたい。
吐息が白くなった午後の赤信号。君の誕生石を身に付けた。その先に君は居ない。青信号に変わり涙を流しながらいつもの道を歩いた。
本の頁を開くと君の部屋の香りがする。文字は近いはずなのに遠い。

亡くした冬に孔雀の羽が開き出す。君の葉脈の様に。

僕らの風見鳥はどうなるのであろうか。渡り鳥の君は孔雀に奪い去られてしまうのだろうか。

静かな風見鳥が一瞬、揺らぎ此方を見た。

居場所

一週間ほど先生からのメールの内容がずっと頭の片隅にある。
君は、自分には友達がいない、と言いました。しかしあれは半分本当で半分演出です。本当に友達がいないのは私の方です。君はなんだかんだといいつつ、王子様がおり、イベントやショップの仲間がいるので私よりもずっと人間関係の幅が広いです。俺からの連絡が嫌ならしない。と、また夏に逆戻りである。先生とは高校一年生の時に喧嘩をし疎遠になった。その後、十年ぶりに連絡をとるようになって今までである。数年後わたくしはパニック症を患い静かに暮らしている。というのも人間関係のストレスを抱えたくないので新たなコミュニティーを作るというのが面倒なのである。しかしながら先生に二十年も前の高校生活の話しをされても興味がない。転校をして来てからいじめに遭いさらなるいじめ回避の為に学級代議員や部活は副部長をしていた。なので他校の生徒や卒業をした先輩達とつるんでいた。今は誰が一番に相談をしやすいのかを考えてみるとショップのオーナーや常連さん達が浮かぶ。そこに先生は出てこない。先生にしても古くからの友人達にしても近間に住んでいないのである。ショップのオーナーだとオーナーとお客さんという立場なので面倒な事が起きないのである。常連さん達の間でわたくしは妹キャラ的存在に可愛がってもらっているがそこにもちょっとした事がある。凜ちゃんなら顔が広いわ。どこと繋がっているか不思議でしゃあないわ。そこら辺の男なんてみんな凜ちゃんのお下がりでしょ。こういう事を言うから他の常連さん達が心配をしたり俺と凜ちゃんが仲いいからアイツは面白くないんだ。とかになるわけですよ。行きつけのショップはちょうど先生と離れてから通っているショップであり今では常連さんであった人がスタッフになっていたり独立をしたりとわたくしの居場所なのである。携帯電話が無い時代の集会所。なのでわざわざイベントやショップの事を言われたのが気になっていた。先生はわたくしと小学生からの幼なじみとまで言った。夏の時にもかなりな内容のメールがあった。わたくしの友人デザイナーに対し怒りを剥き出しにし二十年ぶりに再会をしただぁに対しても。知らない人達に対し敵視する、かといって話せば嫌みを言う。わたくしが今年、年下男性に告白をされたと言えば何を言ってくるかのか分からない。ましてやイベントで友人とデートをした、ブーツを磨いてあげた。さらにはわたくしの左手首にはオーナーに付けてもらった絶対に外れないバングルがある。(後に考えサウナには行けない。葬祭の時にはサポーターをしないといけない)ドロップハンドルには外れない旅のお守りを付けている。先生から貰ったブレスレットとネックレスは付けていない。先日たまたま友人から連絡がありやり取りをした直後に先生から連絡があった。見られているぐらい誰かと連絡を取るとピンポイントで連絡が来る。そうすると目に痛みがあるので先生への連絡は後日になる。それは先生も分かっているが何かを察するのか。わたくしを十代から見ている方達なら分かるのである。一人行動が好きだがクラブで大騒ぎ、夜中の番長だったのでいちいち周囲の男性を気にしていたらキリがないはずであるが今年は何故か二十年前の方達からLINEの友達申請が来る。わたくしほぼ自分からLINEもメールも電話もしない。寝たきりだとたいして用事が無いのだ。パニック症全盛期の時には着信履歴ですら発作が起きていたので身内ですら連絡をしてこない。友人達は起こしたら悪いからと気を遣っていてくれるがマナーモードなので起こされる事はない。緊急エリアメールですらマナーモードなのでミサイルが飛んで来ようが災害があろうがわたくしは知らないのである。死ぬ時は穏やかに。
アメ車フェスで雑誌に載った写真を先生に送ってみると今メールがあった。
久しぶりの凜ちゃんの写真で嬉しい。
あれだけのクリエーターが弱っている。

痛み

落日の土台です。


部屋中を覆い尽くす平積みされた言葉の山をロープで結ぶ。ドアを開け真っ黒な湖を目指す。部屋の中のアルコールランプの灯火はそのままに。ロープを握り言葉の死体をゆっくりと引きずり歩く。逆算される地上の嘘が纏わりつく湿る媒体は重みを増す。ロープを左肩に掛けしっかりと握り歩く。肩に食い込むロープ。骨の痛み。握る手からは血が滴る。水の匂いがした時、後ろを振り返った。森の中の住処の小さな灯火のランプが消えかけていた。遠くまで来た気がしていた。何マイルも。退けた距離は近かった。息を枯らし辿り着いた湖面に四つん這いで口をつけた時、軋むブーツのベルトは切れた。ここで終わりだと。喉を鳴らし無理矢理に飲み込んだ、末期の水。夜の太陽が昇る。黒い影が螺旋状に近付いてくる闇夜鴉。紅く染まり出す湖に止まったままのチェリストが現れる。言葉の毒の上に仰向けになる。じっとりと汗ばんだ脳の下はデカルト。空中に浮かぶ言葉。我思う、ゆえに我あり
鳥葬の始まりである。
脳を啄んだ鴉は毒が廻り痙攣を起こした。


かなり身体が痛いのと目が見えにくく視神経の痛み。知らんよなぁ、わたくしが通信制で東京商科なんちゃらの色彩学科を学んでいたのは。

死についての文章はあまり無いんじゃない?
送っていないだけで死ぬ文章は書いていたよ。
先生。
君がビジュアル的に嫌いな飛び降りも書いていたよ。
知らないだけだよ。

喧嘩、売ってんだよ。

痛みで朦朧としていて「今の人間と居たい」

落日

死の淵を彷徨った。魂と肉体が時に重なり合う残像。僕は朦朧とする意識の中、彼女と初めて出逢った時の衝撃を思い出し全身に電流が走った。色白の肌に触れた手は冷たかった。夜に出現しない彼女と偶然、出逢った夜。彼女はそれを予定調和だと言った。本当にそうであった。僕と彼女は心臓に病を抱えていた。今まで誰にも言わなかった僕は何故か彼女にだけは打ち明けた。僕の中に居る君と鼓動が共鳴しそうさせたのかもしれない。
遠く聞こえる金属音に混じり弾ける心電図の音。誰かが騒がしく僕の名前を呼んでいる。
僕は彼女の声が聞きたい。
君は言った。
あたしより先に死なれては困る。
君の笑顔がフラッシュバックをする。同時に全身に衝撃が走り跳ね上がる。
僕は君と一緒に居た草原に居る。あの日とは違い真っ暗闇の中とてもゆっくりと時間が流れている。無邪気な君は何処に居るの?僕を置いていかないで。君が見えない左目から熱い小さな涙を一粒流すと遠く真っ暗な闇の空へと飛んだ。光りが二度、瞬き次第に大きくなる光り。旋回をしながら僕を照らし出す。此処は夜だけの世界。君は僕に静かに話しをしてくれた事があった。
君は森に住んでいて無数の本という言葉の毒をロープで縛り独りきり重みを引きずり歩いた。ブーツのベルトが切れ其処には夜の太陽が昇った。その先のお話しはまた今度ね。

君を夕陽で照らしたのは誰?

激しい閃光が眩しく僕を探し出す。大きな月光が暴れ出し突如と現れたメリーゴーランド。不協和音と共に逆回転をする人工物。君は確か羽音を立てるペガサスに乗っていた。耳を澄ます。触れてはいけなかった。
いつか好きになるとは思っていた。脳梁の片隅に遺る記憶。
君は僕の太陽。
あたしは貴方の月。
知らなかった。
君の名前を教えて。

私の名前はタナトス

迎えに来たよ。ずっと一緒に居る為に。

毛皮 革

GUCCI BURBERRYに続きCOACHが毛皮製品の取り扱いを辞めた。毛皮製品の為に年間一億頭の動物がいわゆる被害に遭っているという。以前にも似た様な事を書いたが野生と肥育され食になる動物はどうであろうか。どちらにしても人間のエゴなのかもしれない。しかしながらマタギの様に動物と人間の共存の関係性もある。魚の皮を身に纏っていたらそこまでは叩かれない。捕鯨の話は別として。毛皮製品を身に着けていると駄目な時代だそうだ。例えばどうであろう、わたくしの地域では今次期、鹿の被害があるからして国道に鹿注意の白文字がアスファルトに引かれた。現にわたくしの友人二名が今まで鹿と衝突事故を起こし全損である。ヌバックはオス鹿、現在はトナカイやシカ科も含まれバックスキンは鹿革。わたくしは母が着ていたラビットファーの毛皮とラビットミックスファーとシルバーフォックスの毛皮を持っている。被害者と濫獲のパワーバランスが完全におかしい世の中。植物で言えばコート種子と矮化剤の問題もある。わたくしは野菜を買う時に見ただけで判るのである。土から作っていた経験があるので。手に取れば如何にこの食材が身体に悪いかを。そして毛皮を舐めしていた時にも解った。荒々しく生きた獣ほど脂を貯え市街地に出流り狩りを余し貪る人間界で。
そうしたらフェイクファーや合皮の化繊やプラスチック製品を増やして地球を汚染するの?という疑念がある。
毛皮を着ていると恥ずかしい時代だそうだ。

シビア

友人のスウェードシャツがある。先月だったかその友人がシャツをショップに出していて取りに行くとなったのでブーツを持っておいでー、磨いてあげるよ。シャツ、あれかい?前に内側の毛羽立ちが気になるってやつ。ライニング付けたの?
いや、磨いてもらった。
それならわたくしでも出来るのにぃ、処理剤も持ってきているし。シャツの内側を確認し、これだけ磨いてあったら大丈夫だと思うよ?一昨日のことLINEにて画像が送られてきた。
凜ちゃん見てこれ。コロコロにそこそこの床革の革くずが。厳密に言えばスウェードなのかヌバックなのかは確認をしてはいないがわたくしは考えながらもスウェードブラシをかけてもっかい磨いてみるかい?と言いつつも一度磨いてあって出るのだから革が柔らかいからだなぁ。また磨いたところで出るのだろうし革が薄くなるしなぁ。なんて考えながら自分のスウェードジャケットとスウェードブーツをしばらく眺めていた。
そうだ、丸洗いだ。友人に、もし丸洗いが出来るようだったらシャツを裏返してスポンジでこすり洗いをしてみて。と伝えた。その後でわたくしが磨いてみるよ。(本当は水洗いもしてあげたいのだがなかなかわたくしの体調が悪い)表面はクリーナーもプロテクターもカラーリターンと防水スプレーもあるし。(そうすれば会える。凜ちゃんねぇ、俺のこと好きだから。)そして今日やはり気になりアパレルショップのオーナーに聞いてみた。いや、しばらくは出るんですよ。てか、出るものですよ。でしょ、で、職人さんが一回磨いてあるからさぁ、磨きたくはないんだよね。でもねぇ?丸洗いをしたらまた磨くことになるじゃん。オーナーに言われて暑くなるからライニングは付けたくはないみたいなんだ。それと話は別でさ?オイルドジャケットのオイルは温めるじゃん?シューオイルって温めたことある?ない!ない!僕、ブーツ履かないから!どうしたんすか?いやね、初めて使うオイルがやたらに固いの、車のワックスの固いやつぐらい、あれってさぁ、スポンジで取るじゃん、手で塗りたいじゃん。凜さん!得意じゃないっすか!スプーンですくって炙るの!うん、柄の曲がったスプーンでね、熱いからね。話は一旦反れ、わたくしがマリファナという言語が思い出せずガンジャと言ったらオーナーに、やっぱり昔、悪いことしてた人ですよ。と笑われた。やっぱり、悪いわぁと。(これはアクセサリーのモチーフの話から派生していっただけである。話は戻して)ただね、クロムエクセルなのさ、浸透が上がったらなんぼでも入るじゃん。オイル詰まりするじゃん。バブアーのオイルドでもどちらかというとわたくしと友人デザイナーは固いぐらいの感覚のほうがやりやすいんだよね。あぁ、そっかぁ…。そんなこんなで脳内大渋滞をしていてさぁ。色々と請け負うからですよ!いやね、そのブーツの持ち主のシャツなのさ。凜ちゃんにお願いしようかなぁ。って言ってくれて。まぁ、ブーツはリムーバーをかけてコンディショナーを入れてオイルとカラーを入れたから次回は乳化クリームを入れる予定なんだけれどね。シャツで悩んでオイルで悩んで。靴屋の本店のシューフィッターさんと合わないからさぁ、社長に聞きに行こうかと思ったりもしたけれど社長のお店で取り扱っていないブーツだしさぁ、現に社長もわたくしのブーツを扱ったことがなくて手探りだったじゃん。そうすっよねぇ。ステアハイドとかカウハイドとか水牛だとかなら何とかなるけれどクロムエクセルだしさぁ、高いブーツをおかしくしちゃったらと思って聞いてみたんだ。とオーナーと二時間も喋っておりました。わたくしいずれにしても現在、手が震えるや不随意の痛み以前に両手を怪我しており不自由なのです。王子さんの実家の猫に引っかかれたあげく噛みつきやがってな、半日、血が止まらなかったわけだ、バカ猫が。未だに痛いのね。しかもわたくしまさかの猫アレルギーを十五年前に発症しており猫は大っ嫌いである。
わたくしは何かをやり始める時に詰め込んで悩んで悩んでからマイナス作業をする人間であるが感覚の人間でもある。答えは出ているわけだ。

わたくしのトリッカーズのクロムエクセルで試してみたらいい。グリーンのブーツでカラーを入れウイングチップはパテントにしシューレースも変えてあるのを体調が良い時にリムーバーをかけて一からやってみたらいいのだ。スウェードシャツはもう少し考えてみる。
夏で最後になったアメ車のイベントに行きマガジンに載ったわたくし。腕がやせ細って恥ずかしいから後ろ手にしていたが、
ちゃっかり載ってー!とか、載ったんすか!なんて言ってくれるショップのオーナー達。友人には雑誌デビューだ!なんて言われ大袈裟な。最後のアメ車フェスだっつーの。笑。今日はゆっくりと安みたい。不随意で安まらないのだけれど。ちょっくら悩んでいてそれをオーナーに言いたかったのだけれど言わなかった。