lynnosukeのブログ

愛なんてそこじゃなくて生きてるだけじゃ足りなくて

波動

愛している。
この言葉は空中で分解された。
指を握り合わせると君の小指の指輪がガルバニー電流を起こした。誰かに結ばれている象徴。左手首は放電をしない様に誰かに繋がれている。いつか触れるのは分かっていた。君の目を見ると水晶体は青く虹彩は緋く色付いていた。その目を見た時、僕の角膜は破れた。網膜が知らない記憶。震え切る細胞。視神経は断絶された。暗闇の君の色覚に迷い込んだ。君は可視光線を脳内のシナプスで感じていた。
視界を知らない僕は盲目的な君を抱く。

愛している。

僕は君の聞こえない鼓膜へ届けた。