lynnosukeのブログ

愛なんてそこじゃなくて生きてるだけじゃ足りなくて

陸運局に行った

慣れない場所に未だにパニック発作の不安が付きまとっていた。午後からの天気予報によると晴れだった。前日の全身不随意の痛みのおかげで固まった身体は起きあがるのに二時間かかった。カーテンを開けると雨であった。次第に全身が痛み出してはいたがせめて印鑑証明書だけでも取りに行こう。ガソスタで車に燃料を入れているうちにみぞれに変わった。ノーマルタイヤのままのわたくしは躊躇をしたが今日より明日の方が痛みが凄まじかったら、昨年の今頃は我慢ができる痛みだったが年末年始からの痛みを知っているので行った。みぞれと雨の中、
涙雨か…もしくは雨降って地固まる…なのか…
ふと、君が生きていた時にバレンタインデーにプレゼントを渡した事があった。わたくしはお付き合いをしている方にバレンタインデーにプレゼントを渡す事はほぼ無い。何故ならば毎日、愛しているからである。その中でも特別な存在の方にはプレゼントをしたくなり半年や一年前からリサーチをする。喜んでくれるかなぁ?逆に駄目なのかなぁ?と、ずっと考えているほどに大切に想っている。様々な想い出が駆け巡った。ホワイトデーに君のローレルの助手席に乗って目が悪い君をいつも通りにナビをしているとカーラジオからはしつこく今日はホワイトデーです。と、何度も何度も聴いた。君は笑いながら、しつこいわ、と、車を停めた。待ってて。君は白い花の鉢植えをプレゼントしてくれたね。お返しって。
わたくしは薬の離脱症状か後遺症なのか道の記憶が消えてゆくが一緒に居た人間の言動や行動は総てを記憶をしている。その為に忘れたい事も想い出になっていてつらくなる。
吹き荒れる中、痛みが強くなり目が見えなくなる中、わたくしはステアリングに掴まり陸運局を目指した。つらかった。溢れ出す想い、お金さえあればローレルを生かしてやれたのに。急な減断薬さえしなければ。本当に悔しさに滲んだ時に助手席に置いてあった重なり合った二枚のナンバープレートが突然、無機質な音を立てた。
やっぱり。離れたくは無いんだね。と、思った。
ごめんね。と、呟いたと同時に雨は止み夕陽が見えた。わたくしは眩しすぎない夕陽を目指し走った。