lynnosukeのブログ

愛なんてそこじゃなくて生きてるだけじゃ足りなくて

縮図の中の結晶

僕は縫い物をしていた。ささやかな暖かみがあるコークスの炎がある部屋の中で独りきり。暖かな橙色。ふと、木枠の窓ガラス窓にひんやりと冷たさを感じ渋った窓ガラスを見る。外の景色は見えずガラス窓に張り付く結晶の硬化を見ていると僕の縫い代は止まった。暗闇に灰色の雪がちらつき始めていた。君の凍えた表情が脳内にフラッシュバックをし「僕だけの君でいて、君無しじゃ不安定なんだよ」。僕は君を探す。雪の中をかき分け差し伸べる手、暖めてあげたい。夢の中で僕を掴み取ろうとした君の目。互いの最期。君は冷えた氷のクレバスに堕ちて行った。
二度と会えない。