lynnosukeのブログ

愛なんてそこじゃなくて生きてるだけじゃ足りなくて

楽園

カメレオンが横目で君を突き止めた。なぶる感触で長い巻き舌で探り出すかの様に。君は自らの傷跡の頸動脈を右手で覆い左手に持ったショットガンを真っ直ぐに突き立てる。激しい記憶。悔しさに叫びだしたい衝動。怯える貴方を片腕の犬が後ろから抱き片羽を広げる。見上げ落ちる光りの色の石。綺麗なガラス石を頭上から浴びる。痛い程に。それでも構わない。

最期に泣くのはおまえか俺か

最期に笑うのは俺かおまえか

シャットダウンをして来た人間の緞帳が上がる。小瓶の中の閉塞感。

水中花

僕は君を閉じ込めた。

僕の涙でいっぱいのガラス瓶の中から声を無くした君は気泡で問いかける。僕の涙を飲み干し君の涙でいっぱいにする。僕はいつも外側からガラス瓶をコツコツと叩き音を届け応える。気泡が溢れ出す前に君を持ち歩く。君と一緒に居た。硝子を突き破り僕に会いに来た記憶。左指で創ったピストルをこめかみに突き立てる。右手で君を太陽へかざす。レンズとなったガラス瓶は僕の両目に強烈な閃光を浴びせた。咄嗟に握り締めたガラス瓶は割れた。砕け散った日に溺れた僕は視力を失った。

君が僕を閉じ込めた。

ショートフィルム

花びらを一枚、口に含むと、頭の中の映写機が廻り出す。そっと目を閉じ夢を見る。石鹸箱の中で花を描くと香りが弾ける。同じ香りを身に纏う君と僕。指先から互いの肌に想いを綴る。。石鹸箱の中は花びらが舞い君は僕に花びらを口移す。目を閉じ僕は夢を見る。逆転写された君は僕と大きな砂時計を反転する。お伽の国で君は小さなビーズを集めていた。僕への道標。君を閉じ込めていたはずのガラス瓶。君が手にしていたリヴォルヴァーはショットガンに変わっていた。君は何度も僕を撃ち抜いた。銃口から放たれた見覚えのある花びらを口に含むんだ。

僕は夢を見る。