lynnosukeのブログ

愛なんてそこじゃなくて生きてるだけじゃ足りなくて

沈む指先

初夏の記憶が咽せ返る寝起きの体温。ホットカーラーの準備をする。美しい貴方に会いに行く。貴女は綺麗だ。と、言ってくれた鋭い眼が好きだった。いつも僕に会いに来てくれたから僕が会いに行きますよ。猛毒の緋色の君は言った。泥の中でしか生きられない蓮のわたくしは色付いた。総てを飲み込んでくれわたくしは抱きしめた。あの二人にしか知り得ない石鹸箱の中の記憶。幸せだった。その後わたくしは貝殻の中で隠れん坊をする。その記憶はとても美しくあの日を、黒曜石を。その美しさに顔を背ける自分が居る。